好い加減な、いいかげんさを!

あけましておめでとうございます。

年明けのNHKの若者による深夜の討論番組で、少子高齢化、グローバル化のなかで大きなパラダイムシフトが進む日本の進路についての議論がされていました。学者を中心とした抽象的で理想論的な、あえて結論を導きださない議論のなかで、「行政はトップランナーの後追いでいい」という発言が印象に残りました。
結果を求められない役人からはリアリティのある方向性を示すことは難しい。むしろそれは現実と戦っている民間の人たちがそれぞれの分野で捻出されたアイデアや手法が進むべき方向性を示すものだ、ということだと思います。
しかしながら、新しい方向を目指す民間には多くの行政の壁が立ちはだかります。政策よりも硬直的にコンプライアンスを優先したり、個性、特性を無視して一律に規制をかけるルール運用など、本来の目的よりも、手段やプロセスが目的となってしまっているのが現実です。
日本人は一度決めたルールはとても厳格に運用するという点で極めて優秀かもしれませんが、様々なイレギュラーな事項に対して、ルール策定の時の主旨に立ち戻って独自に判断することを放棄しています。また、ルールは完璧ではないのですから、どんどん変えて行くべきです。間違いを非難するのではなく、常に次のステップに進むためのトライであると考えるべきでしょう。
重箱の隅をつつき責任を追求する社会ではなく、好い加減ないいかげんさが許される寛容な社会が求められています。しかしそれは甘い社会ではなく、自ら考え、判断するより厳しい自律的社会への移行を意味するものです。

我々も建築デザインやまちづくりにおいて、常にこのような壁と対峙しています。しかし新しい方向性を示す為には不可避なことでもあります。そこを突き破るのは楽観的に、好い加減ないいかげんさでしつこく継続して提案していくしかないかと思っています。

今年も前進あるのみです。

東泰規